数学(中学生)

 

 

【1】中学1年生のあなたへ
これから始まる数学の世界は、これまで学んできた算数の具体的思考から抽象的思考へと広がっていきます。

事象を抽象的に捉えることで初めて見えてくる世界を歩くために、数学には数多くの道具が用意されています。抽象概念の代表である「負の数」。その他にも「文字式」、「方程式」、「関数」、「図形」。これらの道具を頼りに、これから広大な数学の世界を歩いていくのです。

1年生で学習する単元はすべてこれからの学年の学習内容につながっており、2年生、3年生でより高度な単元として登場します。この学年で築き上げた基礎の上に、次の学年で学ぶ内容が積みあがっていくのです。初めは別々の分野として学んだ単元が、有機的に結合し、数学の世界を創り上げていきます。ですから、1年生で学んだ土台の出来が、今後学ぶ数学の精度を左右することになるのです。

 

【2】中学2年生のあなたへ

中学1年生で学習した数学の基礎を、より一層幅を広げ、応用力を養っていくことが中学2年生の学習内容の主眼です。

1年生で学んだ関数は、「1次関数」となり、より本格的に関数の世界の広がりを見せてくれます。この「1次関数」で「文字式」、「方程式」、そして「図形」と融合してより複雑な問題を創り上げていくのです。

また、初めて証明の概念を学ぶのも2年生の数学です。図形の証明問題は、厳密な論理の世界です。論理的に思考する力を養う絶好の機会であると同時に、解答へ至る道筋も一通りではないことを学ぶのもこの時期です。

 

【3】中学3年生のあなたへ

これまでに学んだ数学の世界を一気に広げるのが中学3年生です。数式の中に直感的なひらめきが要求される「素因数分解」。高度な抽象概念の世界である「√」の世界。「1次方程式」は「2次方程式」となり「1次関数」は「2次関数」へと深化します。これまでに見たことのない直線や曲線の中に、数学の奇跡を垣間見ることのできるのもこの学年です。さらに「相似」「三平方の定理」では抽象的な世界のなかの「美しさ」を見出すことも出来ます。

一方で君たちは受験生。高校入試では、短時間に多くの情報を処理する能力が求められます。得点が入試の結果に結びつくシビアな現実に直面します。しかし、この入試問題の中にこそ、感動や驚きがつまっています。知れば知るほど数学の無限の広がりを実感するでしょう。数学を本当の意味で楽しめる学年かもしれません。