先日、18年前に養哲塾を卒業したAさんが、久しぶりに教室を訪ねてきてくれました。
Aさんは小5から中3まで養哲塾三鷹教室に通い、その後、都立国立高校へ進学した生徒です。中学3年生のころは、受験勉強に前向きに取り組み、いつも元気溌剌でいきいきとした表情を見せてくれていたことをよく覚えています。
数年前にも一度、教室を訪ねてくれたことがありました。そのときAさんは、現在の仕事は充実しているものの、さらに新しいことにチャレンジするために、アメリカへ行って大学に入り直したいと話してくれました。大人になって落ち着いた印象もありましたが、同時に何かを模索しているようにも感じました。
今回会ったとき、AさんはアメリカでMBAを取得し、帰国したことを報告してくれました。そして、世界的なIT企業に就職したとのことでした。
もちろん、そこに至るまでの道のりは決して簡単ではなかったようです。すべて英語での勉強自体大変なのは当然のこととして、円安の影響で生活面でも大きな負担があったそうです。さらに、勉強以前に住む場所を見つけたり、生活の基盤を整えたりすることにも、とても苦労したと話してくれました。
それでもAさんは、アメリカでの勉強について、「周りに頑張っている世界中から集まった仲間がいたことが大きかった」と話してくれました。自分だけで頑張るのではなく、同じように目標を持ち、努力している世界中の人たちに囲まれることで、自分ももう一度頑張ろうと思えたのだと思います。
その話を聞いて、三鷹教室に通っていたころのAさんの姿を思い出しました。中学3年生の受験期にも、Aさんの周りには同じように一生懸命勉強する仲間がいました。教室の中で、誰かが真剣に問題に向かっている姿を見て、自分も集中する。友達が頑張っているから、自分ももう少し頑張ってみる。そうした空気の中で、Aさん自身も力を伸ばしていったのだと思います。
アメリカでの勉強と、中学生時代の養哲塾での勉強。場所も年齢も内容もまったく違いますが、「頑張る仲間がいる環境の中で、自分も前向きに努力できた」という点は、大切な共通点だったのではないでしょうか。
後日、Aさんはメールを送ってくださり、養哲塾で過ごした頃のことを、次のように振り返ってくれました。
「養哲塾に通うのは、とにかくとにかく楽しかったです!
もちろん受験勉強中は落ち込んだり焦ったりすることもたくさんありましたが、終わるころに『レベルアップした自分』に出会えたような喜びは今でも覚えています。
受験を通して経験した、この『頑張った先には達成感が待っている』という感覚は、今回のMBA生活中に何度も思い出しました。
そして卒業した時には先生たちに会いに行きたくなりました!
仕事がひと段落したら、また先生に会いに行きます!」
この言葉を読んで、私たちもとてもうれしい気持ちになりました。中学生のころに経験した受験勉強は、その時だけで終わるものではありません。大変なことに向き合い、悩みながらも努力を続け、その先で「自分は成長できた」と感じる経験は、大人になってからの新しい挑戦の場面でも、きっと支えになるのだと思いました。
今回教室に来てくれたAさんの表情は、とても明るく、どこか中学3年生のころの元気な姿に戻ったように見えました。帰るときに、教室の中を少し小走りで移動する姿を見て、「ああ、中学生のころと変わらないな」と思い、懐かしく、そしてうれしい気持ちになりました。
Aさん本人も、数年前に会ったころについて、「実はそのころは迷う気持ちがあって、すっきりしていなかったかもしれません」と話していました。そこから自分で新しい目標を見つけ、海外に出て学び直し、また新しい場所で挑戦していく姿を見ることは、とても心を動かされることでした。
また、Aさんのお姉さんも養哲塾三鷹教室の卒業生です。中1から中3まで通い、都立西高校へ進学した生徒でした。今回、Aさんからお姉さんの近況も聞くことができました。
お姉さんは現在、世界的なプラント企業で働いているとのことです。お子さんと一緒にカタールで生活していたそうですが、最近の中東情勢の影響で、急きょ日本に帰国することになったと聞きました。お子さんの写真も見せてもらいましたが、目のあたりがお姉さんにとてもよく似ていて、ほのぼのした気持ちになりました。
円安や中東情勢と聞くと、自分たちの日常とは遠い話のように感じるかもしれません。しかし、卒業生たちの話を聞くと、そうした世界の出来事が、実は一人ひとりの生活や進路、仕事と深くつながっていることを改めて感じます。
今、教室で社会や英語のテキストを開いて勉強している生徒たちにとっても、円安、国際情勢、エネルギー、企業活動、海外で働くことなどは、決して遠い世界の話ではありません。今学んでいることは、将来どこかで必ず現実の社会とつながっていきます。
卒業生たちが、それぞれの場所で新しい目標を見つけ、挑戦し続けている姿を見ると、私たちも、その成長の一端に関わることができたのだと感じ、誇らしい気持ちになります。
現在在籍している養哲生の皆さんにも、ぜひ先輩たちの姿を追いかけていってほしいと思います。
今は目の前の単語、計算問題、漢字、社会の用語テストが大変に感じるかもしれません。しかし、その一つひとつの勉強が、将来の選択肢を広げ、自分の世界を広げていく力になります。そしてそれがきっと他人のためにもなる、ということも付け加えておきたいです。
Aさん姉妹のように、いつか自分の目標を見つけ、いきいきと挑戦していく養哲塾卒業生が、これからもたくさん育っていってくれることを願っています。(海)